【家庭菜園を始めたい人のため】畑の借り方(借りる前に考えておきたいこと)
はじめに
楽しい家庭菜園生活を始めようとしている人のために向けた記事です。マンションに住んでいる人や庭がない人は近所に畑を借りたいと考えていますよね。しかし、具体的にどのように借りたら良いのかわからず不安もあるかと思います。そのような人のためになる記事です。私はこれまでで3回畑を借りてきました。以前住んでいた場所で2年間。その後の移住先で借り、現在3年目になります。最近では将来家を建てる予定地の近くに追加で畑を借りました。合計3回畑を借りた私の体験談を交えながら紹介していきます。
家庭菜園の魅力
これから家庭菜園を始める人はどんな楽しみが待っているんだろうとワクワクしていることと思います。私が思う家庭菜園の魅力はこちらです。
- 自然に触れることでストレスから開放
- 大切に育てた野菜を食べることは幸せ
- 自分で食べ物の生産をすることで生きる力が自信へと繋がる
- 野菜を買わずに済むこともあるので経済的な助けになる
畑を借りる前に考えること
マンションに住んでいる人や、家に庭が畑がない人は畑を借りる必要がありますよね。実際に借りる前に少し頭を整理しておきましょう。
必要な畑の広さについて
畑の広さはどのように考えればいいでしょうか。家庭菜園で野菜を自給する程度なのに広すぎる土地を借りると野菜を作らないのに管理する面積が増えてしまいますし、営農目的でやるならそれなりの広さが必要です。手作業で耕すのか、機械で管理するのかによっても最大面積は変わります。
私が畑を始めた時は、家庭家庭菜園レベルや手作業での耕作メインでやるなら広くても0.5アール=500m2くらいが限界だと感じました。頭では畑いっぱいの菜園を想像できますが、実際やってみると重たい土を上げたり、力一杯雑草を引いたりと冬でも汗をかくような重労働も伴います。耕作していない範囲も借りていれば当然管理しなければならないので草刈りにも追われるようになります。自給する範囲であればそのくらいの広さで十分季節の野菜を賄えますので、手始めにやるなら0.5アール以下を目安に考えましょう。畑を借りていると農家さんとの関わりもできてくるので、ちょうど自分が慣れてくるタイミングで耕作していない畑を管理してほしいと頼まれたりもします。自分の力量で面積を増やせそうならその時でも十分農地を広げられます。
非農家が新たに畑を借りるとき、農地バンクや農業委員会に紹介してもらい畑を借りることが多いと思いますが、それらに登録されている農地は広いところが多いので、希望のエリアに適する広さの農地がない時は分割して半分だけ借りられるか相談してみましょう。
・成功する畑の環境について
家庭菜園の未経験者こそ環境のいい土地でスタートするのをおすすめします。なぜなら、まだあまり知識もないのに環境の悪い土地での栽培で野菜が枯れてしまったりして途中で嫌になってしまう可能性があるからです。初めてだからこそいい土地を借りてのびのびと野菜の栽培ができるといいですね。
それでは、どんな畑がいい環境であるのかを抑えていきましょう。
水はけが良い土地か?
水はけの良い土地の方が野菜の生育にはいいです。あまりにも水はけが悪く、何日もべちょべちょの土のままだと野菜の根っこが呼吸ができず枯れてしまう可能性があります。水はけがいい土地かどうか見分けるのは難しいですが、一般的には「大雨でも半日〜1日で水が引く土地」かどうかがポイントだと言われています。
よくあるのが元が田んぼだったところを借りてしまった場合、上手(かみてと呼びます。上の段の田んぼのこと)から水が流れてきたり、雨にも浸かりやすかったりします。土は肥えているんですが基本的には粘土質なので、水捌けの改善をしたくても土が重いので結構大変ですよ。
私の借りている畑は元が駐車場でそこに土を運んできた畑なので、水捌けが良い土地ではありません。低い畝で作った玉ねぎが腐ってしまったことがありました。そこで緑肥を撒くいたり、畝を高くする必要があり、手間がかかりました。
水やりしやすいか?
野菜栽培に水やりは欠かせません。特に苗を植えたり、種まきをした直後の数日は表面の土が乾燥しないように毎日水やりが必要になります。そのため、簡単に水をやれる環境があるかどうかを確認しておく必要があります。畑のすぐ横に小さな水路があり、そこから水を汲み取れるのが一番良いかと思います。ジョウロで掬えるくらいの水深があると良いです。畑から少しでも離れていたり、大きい水路で水深が浅かったりすると水がうまく掬えずに水やりが大変な作業になってしまいます。
現在借りている畑は水場が少し離れているので、ポンプで水を汲み上げ軽トラの上に積んだタンクに水を汲みます。その後畑に移動しあらかじめ設置している散水チューブにポンプをつなぎ、水を撒いています。大変です。。。もし、水場が遠い畑を借りてしまったら、水があまり必要のない野菜を栽培するという手もありますが、栽培できる野菜が限られてしまいますね・・・
畑になるべく近いところに車が駐車できるか
堆肥や肥料など重たいものを購入して、畑に搬入することが多いと思います。そこで、畑のすぐそばに車を駐車するスペースがあるかどうか確認しておきましょう。また、夏の暑い時にはクーラーの効いた車は休憩スペースとしても活用できるかと思います。家から畑が近いことも続けやすいポイントの一つになります。近くて行きやすのが畑を続ける何よりの秘訣です。本当は家の隣くらいに畑があるのがベストなんですけどね。
周囲が自分のしたい畑の方向性に合っている環境かどうか
自分の希望する畑の方向性に合っている環境かどうかを確認しましょう。草をボーボーに生やして自然栽培をやってみたいのならば、始めた当初は野菜を食べる害虫が大量に発生する可能性もあります。害虫が周りの畑や田んぼにいき、迷惑がかかります。そのため、自然栽培がやりたい人、なかなか畑に行けずに雑草を生やしてしまいそうな人は、山の方の畑や、周りに何もない畑などが良いでしょう。周りに畑も田んぼもなく、シェア農園(一つの大きな畑を複数人で区画分けして使っている)でもない環境が好ましいかと思います。
逆に農薬を撒いたり、草を刈りたいならば周りが畑や田んぼ、シェア農園でも良いかと思います。民家が近いと住人から農薬が風で洗濯物に飛びそう、だったり朝早くに草刈機を使うと音がうるさい、などの理由で嫌がられるかもしれません。周囲の環境と自分のやりたい農法が合っているか事前に考えておく必要があるかと思います。
有機栽培で里芋をつくっている人がいます。栽培期間中、害虫が大量発生してしまい、有機農法でも使える農薬をまいたそうです。すると翌日道路や電信柱、すぐ横のお米を作っている田んぼに害虫が移動してしまいました。そしてJAの人やその横の田んぼの持ち主で話し合い、その土地一体に慣行農法で使用する農薬を撒くことになったそうです。周囲にも迷惑がかかった上に有機栽培をしていたのにも関わらず農薬を撒くことになってしまい、とても悔しがっていました。
畑を借りる段階になり、現地をみた時にこれらのことを思い出しながらその畑を借りるかどうかを判断してみてください。初めてのことですから、土壌のことや周囲の環境のことは自分ではわからないと思います。不明な部分は土地を紹介してくれた人などに聞いてみるのがいいと思います。
自分が借りた畑でどのような耕作をやっても本来自由ではありますが、近隣にも多くの場合農地があり、そこではプロの農家さんが野菜を作っていたります。当然生活がかかっている訳ですから、周りの農地に迷惑がかからないように配慮するのは最低限のマナーといえます。
間違えて広すぎる畑を借りてしまって荒地にしてしまったり、やりたい農法が周囲に受け入れられないものだったりしないように、また必要以上の労力を要する環境で野菜作りをしなくて良いように、借りる前に自分の中でイメージをしっかり持って、役所や地元の農家さんへ相談してみるのが良いと思います。
意外と役所の方や農家さんはお節介好きな人も多く、ざっくばらんに話してみると親身に相談に乗ってくれますよ。
次の記事ではどうやって畑を借りたのか具体的に紹介したいと思います。
まとめ
楽しい家庭菜園生活に向けて畑を借りる前に考えておきたいこと
・水捌けが良いか
・水やりしやすいか
・畑になるべく近いところに車が駐車できるか
・周囲が自分のしたい畑の方向性に合っている環境かどうか